お店を清潔に保つ! クレンリネスの考え方と実践のポイント

お店を清潔に保つ考え方や取り組みを指すクレンリネスは、日々の営業に欠かせないキーワードだ。清掃はもちろんのこと、身だしなみや衛生管理など、さまざまな点で実践することが求められる。これはお客様に快適に過ごしてもらうだけでなく、スタッフ全員が心地よく働くためにも、とても重要な取り組みである。

では具体的に、どんなことを考え、どう取り組めばよいのか? クレンリネス実践のポイントを考えてみる。

「お店の清潔を保つ」とはどういうことか?

まず、改めて「お店を清潔に保つ」とはどういうことかを整理したい。店内外を綺麗に維持しておく、つまり清掃を徹底することが真っ先に思い浮かぶが、残念ながら、それだけでは清潔を保っているとは言えない。

例えば、いくらお店を掃除したとしても、不特定多数が出入りする場合には細菌やウイルス、ほこりなどがどうしても入ってしまう。飲食店や食品を取り扱う小売店では特に、食中毒や異物混入を引き起こす恐れもある。また、スタッフやお客様の健康にも影響が出る可能性もあるだろう。ゆえに、衛生管理や感染予防対策の徹底が求められる。

そのほか、においの出やすいトイレや水回りの定期的なメンテナンス、廃棄処理をしっかり行う、スタッフの身だしなみを整えるなど、実に多様な取り組みが考えられる。

お店を清潔に保つことができれば、リスクマネジメントにも繋がるほか、お客様も従業員も心地よい空間を作ることができ、顧客満足度・従業員満足度の向上にもいい影響があるだろう。

クレンリネスの実践方法、ポイント

それでは具体的に、どんな取り組みを行えば良いのだろうか? 実践方法とポイントを考えてみる。

【1】清掃箇所の洗い出しとマニュアル作成

一番重要なクレンリネスの取り組みは、やはり清掃だろう。そこでまず、店内外で清掃しておきたい箇所を一通り洗い出したい。さらにいつ・誰が・どんな道具を使って・どのように清掃するか? やり方や担当者、時間を決めながらマニュアル化する。

お客様に見えない部分は手が回りにくいが、クレンリネスの考え方としては、しっかり清掃しておきたいところだ。毎日でなくても、週に一回、月に一回など、頻度を減らしてでも実践できるよう工夫する。

マニュアルに記載した項目は、実践したかどうかのチェックリストも作っておきたい。問題なく実践できた場合はもちろん、できたが気になる点があった場合やできなかった場合は理由や原因も併せて記し、課題解決に努める。また、清掃道具が揃っているかどうかも確認項目に取り入れたい。

【2】身だしなみや体調管理のルール設定

スタッフの身だしなみを整えることもまた、店内を清潔に保つうえで欠かせない。例えば、下記の点に気をつけたい。

・制服やエプロン、靴など、服装が汚れていないか
・定期的に手洗いや手指消毒ができているか
・髪やアクセサリー、ネイルなどが落ちやすくなっていないか

身だしなみは「表情が見えにくい、商品に触れてしまうような長い髪はゴムで結ぶ」「落としやすいアクセサリーはつけない」など、具体的な理由とともにルール設定を行うことが望ましい。あくまでお店を守るためであり、スタッフを縛るためではないということを理解してもらう。

手洗いや消毒に関しては、「書類に触れたら」「トイレから戻ってきたら」「作業を始める前」など具体的なタイミングを記載することで、取り組みやすくなるだろう。また、制服やエプロンは汚れたらすぐに交換できるようにしておくと、清潔を保ちやすい。

加えて、スタッフ自身がウイルスなどに感染している可能性もあるため、体調の確認やケアを実施する。さらに、これらもチェックリストやマニュアルを制作し、スムーズに取り組める仕組み作りをしておく。

【3】衛生管理

続いて、食中毒やウイルス感染を防ぐための、衛生管理。先述のスタッフの手洗いや手指消毒もかなり重要であるが、加えて、下記のような取り組みが考えられる。

・店内の定期的な換気
・設備や器具の洗浄とメンテナンス
・食品はHACCP(ハサップ)に則った管理

これらを実践するためには、例えば洗浄するための道具が揃っているか、設備がきちんと稼働しているかといったポイントも重要になる。忘れないためにも、別途衛生管理のマニュアルを作成するという手もあるだろう。

【4】整理整頓・在庫管理の徹底

日頃からの整理整頓や在庫管理の徹底も、クレンリネスに繋がる。物の見直しを定期的に行い、必要な物をわかりやすく配置すれば、清掃しやすいほか、業務の効率化も図れる。飲食店などで食材を管理している場合は、食品ロス防止や臭い、食中毒の予防にも繋がるだろう。

【5】クレンリネスについて学ぶ機会を設ける

マニュアルやチェックリストを作成し、日々実践に取り組んでいたとしても、「お店を清潔に保とう」という意識を持ち続けることは、なかなか難しい。忙しい中でおろそかになってしまうこともあるだろう。

それを防ぐ方法の一つとしては、クレンリネスについて学ぶ機会を定期的に設けることが考えられる。例えば、下記のような取り組みはどうだろう。

・なぜクレンリネスが必要なのかを適宜説明する
・食中毒やクラスター発生などのトラブル事例を紹介する
・クレンリネスの専門家に来てもらい、研修を行う
・お客様に店内の印象に関するアンケートを取り、共有する
・熱心に取り組んでくれているスタッフに対して、前向きなフィードバックや評価を行う

クレンリネスを実践することにどんな意義があるのかをしっかり理解してもらうことが、継続に繋がる。

【6】業務の効率化

意外なところで言えば、業務の効率化が挙げられるだろう。クレンリネスを実践するには、まわりにしっかりと気を配る、時間的・精神的余裕が求められる。ところが、忙しく立ち回っている場合にはそれが難しく、結果的におろそかになってしまいがちだ。そこで、業務の見直し・改善を行い、クレンリネスを実践できる環境を作り出せるよう努めたい。

あるいは、清掃自体を効率化するという手段もある。例えば、下記が考えられるだろう。

・床や壁、テーブルなどの素材を汚れにくいものに変える
・掃除ロボットの導入
・清掃しながら設備や器具のメンテナンスを行う
・洗剤や清掃道具の見直し、より使いやすいものに変える

【7】お客様目線でお店を見つめ直す

清掃や身だしなみを徹底していると感じている場合でも、意外な見落としはあり得る。そこで重要なのが、お客様目線でお店を見つめ直してみることだ。

お店に入り、席に座り、店内を見回してみる。お会計を想定してレジ前に立ってみるなど、してみると、清掃が行き届いていなかったり、悪い意味で雑多に感じる部分があるかもしれない。客席からは見えていないと思っていた部分が、意外と見えてしまっていることもあるだろう。トイレや厨房の入口なども見回し、改善部分があれば取り組みたい。

クレンリネスの行き届いているお店は、お客様はもちろん、スタッフにも安心して働いてもらえる。忙しいとついつい手間を省いてしまいたくなるかもしれないが、しっかりと取り組める環境作りに努め、誰もが心地よい空間を作りたい。

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店舗経営者の家系に生まれ育つ → 店舗取材を行う編集者・ライター。小さなお店をこよなく愛しています。何かと変化の多い時代の中で、少しでも健やかに、自分たちらしくお店を営むにはどうすれば良いのか? 店舗経営について日々研究し、記録しています。