お店の日報、何を書く? どう活用する? 業務改善や顧客満足度向上に役立てるには

日々の売上や業務内容を記録しておく日報は、お店にとって大きな情報源である。経営状況を把握したり、経営や業務の改善点を見つけたりすることにも役立つ。複数人従業員がいる場合は、その情報をシェアすれば、チーム全体の生産性向上にもつながるだろう。ほかにも、日報をうまく活用することで、さまざまな恩恵を受けられる。

では改めて、何を書くべきか? どう活用すればよいのか? お店の日報の書き方や活用方法について考えてみる。

日報に書いておきたい内容と、その活用方法

始めに、日報に書いておきたい内容と、その情報をどう活用すべきかを考えてみる。

【1】売上の記録 ⇒ 経営状況を把握する

まず、日々の売上の記録。毎日記録することで、売上が上がっているか・下がっているか、はたまた維持できているのかなどがわかるようになる。合計売上だけでなく、どの商品がどれくらい売れているのかも、できれば把握しておきたい。売れている商品・売れていない商品を把握し、販促やラインナップの見直しに役立てる。

【2】日付、天候、客数の記録 ⇒ お客様の来店状況や商品の売れ行きを把握する

季節や天気、そして曜日などは、お客様の来店状況や商品の売れ行き具合に大きく関係する。雨の日は来客が少ないかもしれないし、季節によって売れる商品・売れない商品があるかもしれない。毎日記録しているからこそ、天候や時期による変化にも気付けるようになる。

これらの情報をもとに、集客やサービスの内容を企画、改善する。例えば、雨の日の限定サービスや季節に応じた商品の入れ替えなどが考えられる。

【3】業務内容の記録 ⇒ 振り返り、チームでの情報共有、業務改善

日報の記録者が、どんな業務を行ったのかを記録する。記録者自身が業務を振り返ることができるのはもちろん、チームで業務を行なっている場合は、ほかのメンバーの業務内容を把握できる。

業務内容を振り返りながら、良かった点を再確認したり、改善点を見出したりする。あるいは、チーム内で業務上の悩みや困りごとを共有し、皆で励まし合ったり、解決策を考えたりもできる。コミュニケーションを深めるきっかけになるほか、目標やスケジュール、進捗確認にも有効だ。

【4】お客様とのコミュニケーションの記録 ⇒ 顧客満足度向上につなげる

クレーム等の重要な記録はもちろん、何気ない雑談も意外な情報源となる。「こんな商品が評判が良かった」「こんな商品があればいいのにとおっしゃっていた」など、小さなやりとりには情報が詰まっている。これらを活かし、商品開発やサービス改善、そして顧客満足度向上につなげていく。

日報を無理なく記録するためのポイント

日報が日々の経営改善に大きく役立つ……とはいえ、毎日記録することは本当に大変である。無理なく上手に続けるには、どんな工夫が必要なのかを考えてみる。

【1】書く内容のハードルを下げる

一番大切なのは、日報を重くとらえすぎないことではないだろうか。「しっかり記録しないといけない」「役立つことを書かないといけない」と思うと、腰が重くなる。売上の数字などは正確性が求められるが、業務に関するメモは気負い過ぎないほうがいい。慣れてくるまでは特に、「役立たなくてもいいからとにかく書いてしまおう」と気軽に構えておきたい。

従業員がいる場合は、その姿勢を共有し、「難しく考えなくていいから、思ったことを書いてみてほしい」と伝えてみてはどうだろうか。ちゃんとした文章にまとめずとも、箇条書きでも十分だ。

【2】フォーマットを用意する

ほかにも「書く」という作業のハードルを下げるには、できるだけ手間のかからない状態にしておくことが大切だ。毎日一から書くのは大変である。ざっくりでもいいから、フォーマットを用意しておきたい。

Webサービスやアプリなどのツールであれば、わかりやすい既存のフォーマットを利用できる。日報を整理したり共有したりするときも簡単であるほか、何か気になることがあった際には過去の記録を検索できる。

【3】書く時間を作る

日報を書かずに終わってしまう原因として「書く時間がない」、あるいは「書くのを忘れてしまった」ということがある。それをなくすためには、毎日担当者が書く時間を設ける必要がある。閉店前後の時間など、ほかの業務とは別に「日報を書く時間」をスケジュールに組み込んでみるのはどうだろうか。

【4】すぐメモをする習慣をつける

めまぐるしい営業中の出来事を、まとめて日報を書くまで記憶しておくのは少し労力がいる。それならば、業務中に気づいたことは、その場でメモしておくようにしてはどうだろうか。従業員にも「営業中にメモする時間をつくってもいい」と伝え、日報の前に準備をしておくと、最後が少し楽になる。文章で書いたり打ち込んだりするのが難しければ、ボイスメモを活用するという手もある。

【5】「監視ではなく情報収集のためである」と周知する

クレームの記録やお客様とのやり取り、業務内容などを詳細に記録する場合、従業員の中には「監視されている」と感じてしまう人もいるだろう。しかし、先述の通り、記録の目的は監視ではなく情報収集である。「誰が何をしたか」ではなく「何をしたことが、どんな結果に繋がっているか」が重要なのだ。ゆえに、従業員には事前にその旨を、丁寧に伝えておく必要がある。全員が気軽に、そして前向きな気持ちで、日報に取り組めることが望ましい。

【6】記録者にポジティブな反応を示す

日報は、お店がよりレベルアップしていくための貴重なアイテムである。ゆえに、記録してくれた人には、感謝を示し、皆が読んでいるということをしっかり伝えたい。

スタッフ間で読んでいることがわかるようにサインをつけたり、オンライン上であればスタンプを活用する手段もある。ポジティブなコメントを残せるようにするのもいいだろう。記録者のやりがいにもつながる。

大事なのは、反省などのマイナス面を書きやすい仕組みを作ることだ。なぜダメだったのかをきちんと書いてくれた記録者に、攻撃的に注意するようなことは避けたい。改善するのはその本人だけでなく、チーム全員だという認識を持つ。自分ごととして考える、励まし合うなど、ポジティブな反応を大切にする。

日報をより活かすためにできること

ここまで日報を「書く」に焦点を当てて考えてきたが、それ以外に、日報をより活かすためにできることを考えてみる。

【1】日報に目を通す時間を作る

書く作業ともう一つ重要なのは、日報を読むという作業だ。記録された内容をスタッフ全員がきちんと読み、悩みや困りごと、課題などがあれば、どうすべきなのかをそれぞれで考える。成果を上げた人がいれば、みんなで喜びたい。

これを実践するには、書く時間だけでなく、読む時間を作ることも大事になるだろう。翌日の開店前など、日報に目を通す時間を確保したい。

【2】日報の内容について話し合う機会を作る

加えて、日報の内容をどう活かすか、振り返り、考える時間も作りたい。せっかく書いても何も活かされていないと感じれば、記録者のやる気もそがれる。逆にきちんと振り返る時間を取ることができれば、情報共有の基盤ができ、報連相がしやすい環境を作ることもできるだろう。

その日のうちに振り返りたいところだが、難しければ定期的なミーティングの時間を設けるなどが考えられる。

【3】チームのコミュニケーションに気を配る

日報はチームのコミュニケーション活性化にも繋がるが、その土台となるチームビルディングや、コミュニケーションの基盤づくりを、ふだんからしておきたい。

従業員が気軽に報連相しやすい環境を作るのはもちろん、チーム内のコミュニケーションを活性化できるような場(ミーティングや食事会、社内チャットのようなシステムなど)を構築しておくなどが考えられる。

【4】ビジョンや目標を明確にする

お店がどんな未来を目指しているかがはっきりしていると、日報でも、それに対して何をすべきか、あるいはできていないか・改善すべきかを具体的にできる。

業務内容をつらつらと書くより、達成したい目標をもとに振り返りをした方がメリハリがつく。これはお店全体の目標もそうだが、従業員や経営者自身それぞれの目標を持ってもいい。スタッフの自己成長とお店の成長の両輪が大切になる。

【5】情報収集・学びの機会を作る

日報からの情報を読み取り、活かすためには、日頃の情報収集もしておきたい。例えば売上分析の方法、経営戦略や集客のアイデア、日々のニュースでトレンドや時事を学んでおくなどが考えられる。日々の営業のリアルな情報と知識が組み合わさることで、よりよい店づくりに繋がっていく。

逆に日報から「この課題を解決するにはどうすればいいのか?」と悩んだときも、学びを増やしながら対策を講じていくと出口が見えてくることがある。何度も使うであろう考え方や対策は、マニュアルなどにまとめておけば、同じことが起きても対応できるようになるだろう。

日報は何気ない作業でありながら、業務改善や顧客満足度アップにつながる可能性があり、お店を強くする武器にもなってくれる。売上集計だけに留めるのはもったいない。ここに書いた以外にもきっと、それぞれの店らしい書き方や活用方法があるだろう。

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