お客様にリピーターになってもらうには? お店が実践したい施策を考えてみる

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お店を何度も利用してくれるリピーターのお客様は、日々の営業の心強い味方である。商品やサービスを繰り返し購入してくれるだけでなく、良い口コミを広げ、新たなお客様を連れて来てくれることもある。長く、安定的にお店を経営するうえで、リピーターの存在は欠かせない。

しかし、何もせずに商品やサービスを提供しているだけでは、リピーターになってくれるお客様は現れにくい。お店側からも、リピーターになってもらえるよう働きかける必要がある。ではいったい、どんなことを実践すれば良いのだろうか? リピーター獲得のための施策を考えてみる。

顧客満足度を高める

まずは何と言っても、何度も行きたいと思ってもらえるようなお店にすることだろう。つまり最優先すべきは、お店の質を上げ、顧客満足度を高めることではないだろうか。具体的には、以下のような取り組みが考えられる。

手間や不安、不快をできるだけ取り除く

ちょっとした手間や不安、不快は、お店にマイナスイメージをもたらす原因となる。例えば、以下が挙げられる。

・商品やサービスの質が低い
・コストパフォーマンスが低く感じられる
・動線が悪く、店内を歩きづらい(トイレやレジ、出入口に行きづらいなど)
・接客が不親切
・決済手段が少ない
・店内やスタッフの清潔感がない

お客様が不安・不快に思われる理由もまた、多様だ。しかし逆を言えば、この理由が少なくなればなるほど、お客様はストレスなくお店を利用できるようになり、満足度向上にも良い影響をもたらす。商品やサービスの質を上げる・保つのはもちろん、キャッシュレスの充実やオペレーション・接客の改善、クレンリネスの徹底など、できることから実践したい。

ニーズに合った商品・サービスを安定的に提供する

お店側が提供したいと考えている商品・サービスだけでなく、ターゲットとしている層が欲しい、あるいは必要としているものを提供するよう、心がける。また、これらを気に入ってもらえたとしても、不安定な供給であればリピートしづらい。安定して仕入れ、提供するための仕組みづくりも欠かせない。

加えて、ターゲット層がお店を利用しやすい環境づくりも、ニーズに応えることに繋がるだろう。例えば、ファミリー層を想定しているのであれば、おむつ替えの場所や遊ぶスペース、子ども用の食器・椅子などの提供が考えられる。一人でふらりと飲みにやってくるビジネスパーソンを想定している居酒屋であれば、ハッピーアワーやお得なおつまみセットなどのサービスが挙げられるだろう。

どんなお客様も「また来てくれる」と考えて接客する

「このお客様は一回限りだな」と考えてしまうと、接客やサービスを軽んじてしまう可能性がある。どんな人もリピーターになってくれると信じて、丁寧に接客を行いたい。接客の質を高めることができれば、「ここなら自分の希望としているサービスが受けられる」と感じるお客様が増え、リピーター獲得にも繋がる。

来店前後のケアを大切にする

来店時の満足度は、その前後も関係している。例えば、来店前にお店のことを調べたとき、アクセスがわかりやすい、SNSやホームページに豊富な情報が掲載されている、予約が取りやすいなどがあると、来店前から好印象を持ってもらいやすい。

来店後には、購入後・利用後のアフターフォローを充実させたり、サンキューメールをお送りするといった手も考えられるだろう。

お客様の意見を経営に取り入れる

お客様の要望やクレーム、ちょっとしたリアクションなどを踏まえて、改善できるところを改善していく。店内で直接伝えてもらったことはもちろん、SNSの反応や口コミを確認したり、お客様にアンケートを取るという手もあるだろう。アンケートに関しては、直接「いかがでしたか?」と聞いてみる、用紙に記入してもらうほか、後日アンケートフォームで答えてもらう方法もある。これらは改善はもちろん、新商品やサービスの開発にも役立つだろう。

コンセプトやブランドへの理解促進

「何度も利用したい」と思ってもらうには、コンセプトやブランドをしっかりと理解してもらい、商品やサービス、そしてお店自体に愛着を持ってもらうことも重要だ。

そのためには、まずコンセプトやブランドをしっかりと整理し、自分たちの価値観(コアバリュー)や強みをはっきりさせること、さらには、これらをお店のストーリーとともに根気強く伝えていくことが大切になる。お店の考え方やこだわりに共感してもらい、「このお店だから行きたい」と思ってもらえるような働きかけを、積極的に行っていく。

お客様との接点を増やす

お客様の心を満たすような購入体験・利用体験ができたとしても、リピーターになってくれるとは限らない。日々の暮らしの中でいつのまにかお店の存在を忘れてしまい、そのまま来店しなくなる場合も多いからだ。また、覚えていたとしても、タイミングがつかめずに来られないこともある。

そこで重要となるのが、お客様に定期的に思い出してもらい、「行ってみようかな」と思ってもらうための工夫である。情報発信をすることでお客様との接点を増やし、来店のきっかけづくりを行う。例えば、下記のような手段が考えられる。

・メルマガやニュースレターの配信
・SNSや店舗アプリ、ホームページでの情報発信
・DMの送付

また、情報発信の内容に関しては、商品やサービスの営業はもちろん、コンテンツを配信するという方法もある。宣伝ばかりではスルーされてしまうことも多いため、有益な豆知識やちょっとした裏話など、お客様が求めている情報も併せて提供したい。例えば、下記のようなアイデアはどうだろうか。

・新商品やサービスのお知らせ
・イベントやフェアの情報
・メニューや商品などの開発秘話
・商品やサービスに関連するお役立ち情報や豆知識
・店長やスタッフからのメッセージ
・SNSフォロワー限定のキャンペーン

一度の発信では、流れてしまったり、見そびれる人も多い。さまざまな媒体で、繰り返し発信し、お客様との接点を増やしていく。地道な情報発信が、お客様とのつながりを少しずつ強くする。ただし、無闇に発信すると却ってマイナスイメージをつけてしまうこともある。頻度やタイミングを検討しながら発信したい。

リピートすることに得や魅力を用意する

何度も通うことによってお得になる、特別なサービスをもらえるなど、リピートすることによるメリットを用意する。例えば、下記が考えられる。

・ポイントカード、スタンプカードの発行
・回数券の発行
・リピーター限定の特典(割引やノベルティ、試食会や新商品お試し会への招待など)
・会員制度、ランクアップ制度
・リピーターだけが購入・利用できる商品やサービスの展開

あるいは『ディズニーのすごい集客』(嶋田亘克)では、ディズニーのパスポート戦略を取り上げている。年間パスポートのほかに、「2デーパスポート」「3デーパスポート」などの「マルチデーパスポート」があり、短期間でのリピートがお得になるシステムになっているという。

地方からお越しのお客様に、どのような頻度で次回来園を考えていただこうと定義しても、時間が経つと、お客様の状況も大きく変わってしまいます。であれば、翌日リピートしていただこうと考えるのが、最も堅実な方法です。(p.135)

ちなみに、割引は手軽に実践できる魅力的な特典ではあるが、お店側としては利益を減らすことに繋がってしまう。利益率を検討してから実践するのはもちろんのこと、あくまでリピートしてくれることへの感謝、リピートのきっかけづくりの一つと考え、頼り過ぎないようにしたい。

定期的に特別なお知らせを用意する

変わらない、安心できる店づくりも重要ではあるが、ずっと同じサービスの繰り返しでは、飽きてしまったり、忘れられてしまうこともある。何度も来てくれていることへの感謝も踏まえて、期間限定サービスや新商品の案内などの特別なお知らせを、定期的に用意したい。例えば、以下のようなアイデアはどうだろう?

・お客様の誕生日や記念日の特別サービス
・季節の行事や地元のイベントに絡めたキャンペーン
・「毎月◯日は◯◯デー」のような、お店側が設定するイベント

あるいは『バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する リピーター獲得論』(大久保伸隆)によれば、「塚田農場」では「これから予定されている、まだ秘密のメニュー」を帰り際の常連さんに見せ、「ぜひ食べに来てください」と伝えているという(発刊時)。「また来たい」だけでなく、「これはまた来なくてはいけないな」と強い気持ちを呼び起こす。

ただし、特別なお知らせは、あくまで「特別」である必要がある。頻繁にお知らせが届いてしまっては、「いつもサービスをしているお店」となってしまい、お店の価値を下げてしまうこともあるだろう。頻度や数には気をつけたい。

お客様が参加できるイベントやコミュニティを用意する

リピーターのお客様同士をつなげるようなイベントやコミュニティを用意し、お客様同士に交流してもらう。よりお店に愛着を持ってもらえるほか、お店側としても、リピーターのお客様に特別な場を提供できる。例えば、以下のようなアイデアが考えられる。

・アプリやSNSで気軽に交流できる場を設ける
・ワークショップなどのイベントを開催する
・開発中の商品やサービスのお試し会を実施し、意見交換してもらう

お店側の介入はほどほどにし、あくまでお客様が主役の場とすることで、気兼ねなくコミュニケーションをとってもらいたい。

リピーターのお客様を増やすことは大変に重要だが、そればかりに注力していると、新規のお客様に疎外感を与えてしまったり、閉塞的なお店と思われてしまうこともある。リピーターのお客様を大切にしつつ、新たに来てくださるお客様も丁寧に迎え入れ、全体の顧客満足度向上・維持を心掛けたい。

参考文献
『これからの飲食店経営者・店長の教科書 売上5割減でも巻き返せる!』田中司朗 
『ディズニーのすごい集客』嶋田亘克
『バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する リピーター獲得論』大久保伸隆

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