小さなお店では、特に「そのお店らしさ」が求められます。個性を上手く打ち出したコンセプトや店構え、商品、サービス、メニュー、イベント……しかし、群雄割拠の業界で、ほかの店にはない自分たちらしさを示すことは、なかなか難しいもの。
自分たちにしかできない、オリジナルのビジネスを展開するには、そのアイデアのタネを見つける必要があります。では、それらをどうやって見つければよいのか? 小規模店経営者のための、「ビジネスアイデアの探し方」をまとめてみました。
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【1】「アイデア」を掴むための準備をしておく
友人との何気ない会話、ぼーっと見ていたテレビや動画、生活のふとした瞬間……ビジネスの最中でなくても、小さなアイデアのタネは転がっているもの。しかし、それに急に気づくことは難しいため、普段から「これがあったらいいな」「このサービス、自分だったらこうするな」と考える仕組み作り、つまり、アイデアを掴むための準備が必要になります。
例えば、「NETFLIX」初代CEOのマーク・ランドルフは『不可能を可能にせよ! NETFLIX成功の流儀』にて、以下のように語っています。
最高のアイデアが山の上で閃光とともに降ってくることなどめったにない。山の中腹、渋滞につかまって砂を積んだトラックの後ろにいるときにだって来やしない。最高のアイデアは何週間も、何カ月もかけてゆっくりと、少しずつ姿を現す。実のところ、ようやくそんなアイデアを手にしても、長い間それと気づかないかもしれないのだ。(p.31)
突飛なアイデアはすぐに浮かんでこないかもしれません。しかし、それを掴むための準備をしておけば、ふいに落ちてくるヒントを手にできるはず。
ランドルフ氏は同書の中で、アイデアの素に気づいたらすぐに書き出せるよう、「アイデア帳」を持ち歩いていることを明らかにしています。頭の中のアイデアを書き出してみると、文字や数字、イラストなどとしてアイデアが目の前に現れ、リアルと繋がっていきます。紙でなくとも、ボイスレコーダーやスマホのメモを活用するのもおすすめです。
何をメモしたら良いかわからない場合は、その日起こったこと、やったことなどを記録してみてはどうでしょうか。振り返っているうちに改善案や新たなアイデアを思いつくかもしれません。
【2】自分の経験や感情を棚卸する
自分の持っている経験や知識から「得意」「好き」と思えるものをピックアップし、どうビジネスに繋げられるかを考えてみます。何らかの資格や経歴はもちろん、資格のないような何気ない経験も、意外なビジネスアイデアのタネになり得ます。ついついしていること、努力しなくてもできること、人に頼まれやすいこと、自分では大したことがないと思っていても周りに「すごいね」と言われることなどを書き出してみると、面白い発見があるかもしれません。
一方で、「不満」や「悩み」もまた、同じようにアイデアを生み出すことがあります。例えば、普段の生活で個人的な困りごとや面倒事、イラっとしたことがあれば、それらを解決してくれそうなもの、「こんなサービスがあればいいのにな」と思えるものを考えてみます。自分が悩んでいることは、ほかの人も悩んでいる可能性があるため、ビジネスのタネになり得ます。
M&Cリサーチ『アイデアが生まれるとき』によれば、IKEAの梱包方法「フラットパック」は、社員の一人の不満から誕生しているといいます。彼がお店で買ったテーブルを車に積み込もうとしたら入らず、結局分解して持ち帰り、組み立て直すはめになり……そこで上司に「そもそも分解されていたら、楽に持ち帰れるのに」と訴えたところから始まったそうです。
自分に困りごとがないという場合は、ニュースサイトや新聞などから情報を取り入れ、世の中の情勢を学んでみるとヒントがあるはず。ふだんから注意深くアンテナを張って、ビジネスアイデアを探してみましょう。
【3】既存ながら転用の利くアイデアを探る
海外にはあるけど国内にはない、都市にはあるけど地方にはないなど、既存ながら自分のまわりでは発展していないビジネスを探ってみましょう。朝はあるけど昼はない、若い人向けにはあるけどシニア向けにはないなど、時間帯やターゲット層を変えてできないかどうかを検討してみる。特に、大企業が挑戦しそうにないニッチな分野、シェアが小さい分野は小規模経営に向いていることがあります。
例えば、平野敦士カール『使えるビジネスモデル見るだけノート』では、インドネシアに殺虫剤を提供した「フマキラー」の例が紹介されています。熱帯地方で虫が多いものの、殺虫剤が普及していなかったところに目をつけ、独自開発した商品を提供。現地で多くの顧客を獲得したといいます。
ただし、成功しているビジネスの中には、都市では受け入れられたが地方では受け入れられないなど、文化や土壌に特化したサービス・商品の可能性もあります。自身がビジネスを行うならどう取り入れ、発展させていくかをしっかりと検討することが重要です。
【4】成功者の実体験を参考にする
Webサイトや本、講演会などから、既に成功している人の実体験を学んでみましょう。どのようにビジネスを思いつき、どう実行に移し、どう継続しているのかをリアルに知ることができるほか、自分には思いつかないような考え方やアイデアが得られることも。
『「好き」を仕事にする働き方 東京下町のクリエイティブな起業』
イッサイガッサイ東東京モノづくりHUB
古くから製造業者や職人が多く、モノづくりの街として栄えるエリア・東東京。近年、そこで小さくもこだわりのあるモノづくりや場作りを行う起業家が増えています。本書はそんな起業家たちの体験談をまとめたインタビュー集。16組が写真付きで起業の経緯や商品・サービスのこだわり、個性豊かなビジネスモデルを回答しています。雑貨屋やゲストハウス、飲食店など、多様なジャンルを掲載。
【5】既存のアイデア同士を組み合わせる
ありきたりなアイデアしか思い浮かばない……と不安になっている人も多いかもしれません。たしかにそれ一つで個性を打ち出すことは難しいかもしれませんが、別のアイデアと組み合わせることで有益・ユニークなものに進化することもあります。先述した「アイデアを掴む準備」のようにアイデアをメモしておけば、それらのうちから組み合わせられるものが出てくるかもしれません。
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いきなり画期的なアイデアを見つけるのは難しくとも、普段から少しだけアンテナを張っておく、「自分だったらどうするか」と考える癖をつけるなど、意識を変えることでアイデアのタネを集めることはできます。まずは気軽にできそうなものから、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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